税金で損をしないための節税対策

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税理士のお仕事は節税?

 税理士は、国家資格の中でも、合格率10パーセントから20パーセント程度しかない、狭き門です。そうした難関資格をもった税理士の仕事はどんなものなのでしょう。
 税理士に付いて理解するための、まずは税理士について定めた法律、「税理士法」をみていきましょう。税理士法の第1章、第1条では、税理士の使命を次のように定めています。「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念に沿って、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」とあります。つまり税理士は、納税者に代わって、納税義務を手助けする、つまり滞りなくきっちりと納税させることが仕事と言えます。ですから、税理士は「納税者の節税対策」を手助けするのが仕事というわけではないのです。
 よくある誤解に、税理士に頼めば、それだけ最善の節税対策をしてくれると誤解している人がいます。もちろんそんなことはなく、税理士は納税についての専門家として、法に従った納税義務をきちんと行えればそれで、税理士としての仕事にはなんら問題はありません。むしろ、お金を払って雇うのだから、少しでも税金を減らして当然、という考え方は、税理士ではなく税理士に頼む納税者の希望であるといえるでしょう。
 もちろん、税理士は自分の雇い主である納税者に、故意に不利益となるような納税を行う人はいないでしょう。また、良心的に極力節税できるよう最善の事をしてくれる人もいます。ですが、全ての税理士が積極的に節税に協力してくれるとは限りません。その一方で、税理士の中には、節税専門をアピールした税理士も存在します。こうした積極的に節税を謳った税理士と、そうでない税理士に、大きな違いはあるのでしょうか。節税対策を専門とする税理士は、多くの節税対策、税務対策を提案してくれます。ただし、税理士が直接節税するわけではなく、節税するのはあくまでも納税者本人です。例えば、従業員に賞与を支払えば、それはそのまま経費になりますが、税理士が賞与を支払うことはできません。また、繰延型節税として、短期前払費用を前払いして、本来次の年に損金となるべきものを前年に前倒しすることも可能です。この場合、最初の1年は単純に税金を抑えることが出来るような気がしますが、毎年続ければ節税効果はほぼないと言えます。それを毎年勧める税理士の人が、節税に優れているとはいえませんし、納税者側も税金の事を知らないといえるでしょう。税理士はあくまでも節税に関してはアドバイザーです。経営者が直接、税金に関する知識を身につけて、信頼できる税理士と二人三脚で行っていく節税対策が最も効果的なものになるでしょう。